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御答
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おこたへ
申さば父の
越度となり
又云ずば吉三郎は殺さるべし兩方
全きやうには何事も
行ざれども
能々考へて
心靜かに
双方無事に
成やうの
御答を
遣はせし事ありとの上意なれば近江守は
御答の趣き早速松平伊豆守殿へ申通じければ又々御役人方
御評議となり御連名にて
返翰を遣されたり其文は
先達て
仰越れ候天一坊殿の儀石川近江守を
申と
直樣縛るぞと有けるにぞ
元來臆病者のこと
故林藏はがた/\
戰ひ
齒の根も
合ず居たりしかば家主嘉右衞門は
傍より是々林藏
確乎とした
御答を申上よ
大事な儀ぢやぞと申に林藏
何と
致まして
嘘を