張繍ちょうしゅう)” の例文
実はきょう、君を迎えたのは、この相府の梅園に、梅の実の結んだのを見て、ふと先年、張繍ちょうしゅう征伐に出向いた行軍の途中を思い起したのだ。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旗幟きしをひるがえし、許都へ攻めのぼろうと企てていた一軍は、その張済のおいにあたる張繍ちょうしゅうという人物を中心としていた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
愚臣の観るところでは、荊州けいしゅう劉表りゅうひょうと、襄城じょうじょう(河南省・許昌西南)の張繍ちょうしゅうとは、ひそかに聯携して、あえて、朝廷にさえ不遜な態度を示しています。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
西といえば、さし当って、近ごろ南陽(河南省・南陽)から荊州地方に蠢動しゅんどうしている張繍ちょうしゅうがすぐ思い出される。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「……ところが、あいにくと、あの美女は、未亡人だそうです。張繍ちょうしゅうの叔父、張済ちょうさいが死んだので、この城へ引きとって張繍が世話をしているのだとか聞きました」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかも都の北には、西涼せいりょうの憂いがあるし、東には劉表りゅうひょう、西には張繍ちょうしゅう、おのおの、虎視眈々こしたんたんと、この曹操が脚を失って征途につかれるのをうかがっているところだ……
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むかし濮陽ぼくよう呂布りょふを攻めて呂布にもてあそばれ、宛城えんじょう張繍ちょうしゅうと戦うて敗走し、また赤壁に周瑜しゅうゆを恐れ、華容かように関羽に遭って泣訴きゅうそして命を助かり、なおなお、近くは渭水いすい潼関どうかんの合戦に、ひげを切り
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)