“引過”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひけす50.0%
ひけすぎ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
引過ひけすぎになってもちょいちょい出たり入ったりするから、少しその心当りの事もあるし、……何も夜中の人出入りが、お産とはきまらないけれど、その事でね。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いや客衆きゃくしゅの勤めには傾城けいせいをして引過ひけすぎの情夫まぶを許してやらねばならぬ。先生は現代生活の仮面をなるべくたくみかぶりおおせるためには、人知れずそれをぬぎ捨てべき楽屋がくやを必要としたのである。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
引過ひけすぎのこの静けさを幸いといわぬばかり、近くの横町で、新内語しんないかたりが何やら語りはじめたのが、幾とし月聞き馴れたものながら、時代を超越してあたりを昔の世に引き戻した。
草紅葉 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
と瀧の戸という番頭新造は出てきました。あとで音羽が箪笥の引出から出しましたはたしなみの合口でございます。其の内に引過ひけすぎに成りましたから、禿かむろも壁に寄り掛って居寝りを致して居りまする。