引過ひけす)” の例文
引過ひけすぎになってもちょいちょい出たり入ったりするから、少しその心当りの事もあるし、……何も夜中の人出入りが、お産とはきまらないけれど、その事でね。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いや客衆きゃくしゅの勤めには傾城けいせいをして引過ひけすぎの情夫まぶを許してやらねばならぬ。先生は現代生活の仮面をなるべくたくみかぶりおおせるためには、人知れずそれをぬぎ捨てべき楽屋がくやを必要としたのである。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)