引過ひけすぎ)” の例文
引過ひけすぎのこの静けさを幸いといわぬばかり、近くの横町で、新内語しんないかたりが何やら語りはじめたのが、幾とし月聞き馴れたものながら、時代を超越してあたりを昔の世に引き戻した。
草紅葉 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
と瀧の戸という番頭新造は出てきました。あとで音羽が箪笥の引出から出しましたはたしなみの合口でございます。其の内に引過ひけすぎに成りましたから、禿かむろも壁に寄り掛って居寝りを致して居りまする。