引換ひきか)” の例文
父なる卿の眼前にこれを見て如何許いかばかり嬉しく思い給ふらんと、人々上座の方を打ち見やれば、入道相國のも喜ばしげなる笑顏ゑがほ引換ひきかへて
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
それから子供の親許へ手紙をやつて、何時の幾日に、何處其處へ金を持つて來い、子供は引換ひきかへに返してやる。
後任こうにんのブライン氏は前任者に引換ひきかはなは不親切ふしんせつの人なりとて評判ひょうばんよろしからず。
今まで喜びに満されていたのに引換ひきかえて、大した出来ごとではないが善いことがあったようにも思われないからかして、主人は快くうていたがせっかくのよいも興もめてしまったように
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
芝居見物の失策それに引換ひきかえて此方こっちから取られたことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それに引換ひきかへて貴方あなた結構けつこうでございますねエ。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)