常滑とこなめ)” の例文
「見れど飽かぬ吉野よしぬの河の常滑とこなめの絶ゆることなくまたかへり見む」(巻一・三七)とも比較が出来るし、また、笠金村かさのかなむらとも同行したのだから、金村の
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
で、矢矧川やはぎがわを舟で下り、大浜から半島の半田へ上がる。そして常滑とこなめからふたたび舟便で海をよぎり、蟹江川かにえがわさかのぼって、蜂須賀村まで帰ろうという道どりを取ったものである。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
陶器に赤絵あかえを施した焼物として名を広めました。しかしいつも絵に生気が乏しいのを残念に思います。その他知多ちた半島に常滑とこなめがあります。ごく薄く釉薬うわぐすりをかけた赤褐あかちゃけた焼物であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
私はこの他に何処にこれほど濶い、これほど変化に富んだ大きなシインを見たであらうか。否、更に北には遠く常滑とこなめの土管工場が黒い煤烟を靡かせて、遙かに濃尾平野をさへ想像させたではないか。
知多の野間で (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
植村家の浪人徳永隣之介(今は魚ノ棚の料理人)、堀家の旧家臣稲葉甚五郎(今は八事の隠亡のかしら)、小堀家の浪人笹山元次(今は瀬戸の陶器絵師)、屋代家の旧家臣山口利久(今は常滑とこなめの瓦焼き)
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)