なきがら)” の例文
なきがらは泣く泣くモンパルナッスの墓地に葬ったのですが、毎年春先きになると、燕尾服を着たペンギン鳥が一匹ずつ生え出して来るんだよ。
彼はお吉のなきがらを手早く木の上へ担ぎ上げたがこれは餌にえた狼の餌食になることを恐れたからであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
かの女はそのなきがらをさへ見ることが出来なかつた。その葬式にすらその姿をあらはすことが出来なかつた。
百合子 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
パトロクロスのなきがらを、悍馬を御するトロイアの
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
忠義な召使い夫婦の者に私達兄妹は救われた。焼け残った家へ立ち帰って父母のなきがらを葬ってからの私達兄妹の生活は昔の栄華に引き代えて世にも貧しいものであった。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
パトロクロスのなきがらを救へ、——そのため水軍の
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
ところどころに、耳ほどの形の血痕が附いている。網にかかって命を取られた、蝶や蝉のなきがらと見れば見られる。血描きの女郎蜘蛛! これが紙帳に現われている模様であった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
パトロクロスのなきがらを同僚まなかに擔ひ行く。
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)