屋上おくじょう)” の例文
様々なうわさが人々の口から口へと伝わる。毎夜三更さんこうを過ぎるころ、紀昌の家の屋上おくじょうで何者の立てるとも知れぬ弓弦の音がする。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
だから、滑走場かっそうじょうがなくても飛びあがることができ、またせまい屋上おくじょうへ下りることもできる。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
病院びょういん屋上おくじょうると、きよらかなながれのように、いつもすずしいかぜいていました。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
上様かみさまのお使いとして、ただいまこの源氏閣げんじかくの上に着城ちゃくじょういたしそろところ、あやしき女人にょにん居合いあわせ、あなたの火を見て、乗りまいりたるクロというわしをうばい、屋上おくじょうよりらんぶりにてそろ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それ、屋上おくじょうが怪しいというのでバラバラと屋根のうえへあがってきたが、無念! ひとあしちがいで四馬剣尺は、縄梯子にブラ下ったまま、ゆうゆうとして虚空を逃げていく。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「えーイッ」とひびいた屋上おくじょうの気合い。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
屋上おくじょうおくす。という語がある。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)