尚更なほさら)” の例文
たゞすこ遠慮勝えんりよがちなのと、あまおほ口数くちかずかぬのが、なんとなくわたしには物足ものたりないので、わたしそれであるから尚更なほさら始末しまつわるい。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
或程度まで相手をあしらつてくらしかつたが、今年度は「指」と云ふハンデイキヤツプの為に、ゲエムの始めから緊張してかかるから、尚更なほさら強いのである……」
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ところがもっと近くによりますと、尚更なほさらわからなくなりました。三疋とも口が大きくて、うすぐろくて、眼の出た工合ぐあひも実によく似てゐるのです。これにはいよいよどうも困ってしまったのでした。
蛙のゴム靴 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
和尚様も驚きましたが、愚助は尚更なほさら驚きました。
愚助大和尚 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
「両方別々なら尚更なほさらをかしいぢゃないかねえ。」
林の底 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
尚更なほさら怒って
楢ノ木大学士の野宿 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)