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せうとくわい
五月山の
木が一
本々々數へられるやうになると、
池田の
町は
直ぐ
長い
坂の
下に
見おろされた。
此處からはもう
多田院へ一
里、
開帳の
賑ひは、この
小都會をもざわつかしてゐた。
現時の
見解及び
趣味を
見るに、六
號室の
如きは、
誠に
見るに
忍びざる、
厭惡に
堪へざるものである。
恁る
病室は、
鐵道を
去ること、二百
露里の
此の
小都會に
於てのみ
見るのである。