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小淵
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こぶち
ぐつすりと寝込んで居た、仙台の
小淵の港で——
霜の月に
独り
覚めた、年十九の孫一の目に——思ひも掛けない、
艫の
間の
神龕の前に、
凍つた竜宮の
几帳と思ふ、
白気が
一筋月に透いて
ぐつすりと
寢込んで
居た、
仙臺の
小淵の
港で——
霜の
月に
獨り
覺めた、
年十九の
孫一の
目に——
思ひも
掛けない、
艫の
間の
神龕の
前に、
凍つた
龍宮の
几帳と
思ふ、
白氣が
一筋月に
透いて