小宰相こさいしょう)” の例文
こんな自嘲のおたわむれにも、三人の御息所みやすんどころ——三位ノ内侍廉子やすこ、権大納言ノ局、小宰相こさいしょう——などはすぐ涙ぐむのであった。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すぐれた美貌びぼうであらせられる姫宮をよく御覧になれぬことを物足らぬことにしておいでになるのであった。右大将が多数の女房の中で深い交際をしている小宰相こさいしょうという人は容貌ようぼうなどもきれいであった。
源氏物語:54 蜻蛉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
それで妃の廉子やすこ小宰相こさいしょうや、権大納言ごんだいなごんつぼねたちも、思い出したことだった。ちょうど去年の今日である。三月七日。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「……兄がこの目で見た小宰相こさいしょうノ君のような例もあるからのう」と、恐ろしいことをささやいて聞かせた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、もう一名の妃、小宰相こさいしょうの木の丸小屋へ来ると、ここでは彼の態度もがらりと変っていた。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先帝ご不自由のため、獄中へお介添かいぞえの女房を移し参らす儀はかまいない。しかし三位ノ局ひとりではならぬ。ほかに権大納言ノ局と小宰相こさいしょうのふたりをも合せてお側におき申せ。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここには中宮ちゅうぐう(皇后の禧子よしこ)もおり、余の女房の小宰相こさいしょうや大納言ノ局もおる。水仕みずしの末の女童めのわらわまで、そもじを見失うたら途方にくれてまどい泣こう。よも六波羅とて、女は追うまい。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「帝のおそばの典侍のひとり、小宰相こさいしょうつぼねは元々鎌倉のまわし者だ」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
典侍てんじのひとりの小宰相こさいしょうであった。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小宰相こさいしょう
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)