小太郎こたろう)” の例文
けれど小太郎こたろうは、こんなときにでも、はたけなかっているうめあいだから、あおい、あおうめがのぞいているのを見逃みのがしませんでした。
けしの圃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
松島の家へ帰り着いてみると、息子の小太郎こたろうは我が不在るすの間に病んで死んだのであった。夢かとばかり驚き歎いていると、象潟からは約束の通りに美しい娘を送って来たので、掃部はいよいよ驚いた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
いまにも、ってきそうな、灰色はいいろくもったそらにしながら、父親ちちおやおおまたにあゆむのを、小太郎こたろうちいさなあしいかけたのです。
けしの圃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
小太郎こたろうは、すがでありました。自分じぶんにもあまりおぼえのない時分じぶんに、どうして片方かたほうをつぶしてしまったのかわかりません。
けしの圃 (新字新仮名) / 小川未明(著)