寝坊ねぼう)” の例文
旧字:寢坊
びっくりするほど、寝坊ねぼうをしてしまったものです——わたしは、まだ箱の上に腰かけていました。あいかわらず、しあわせな気持でした。
「ややッ、これは……」寝坊ねぼう宿直しゅくちょくが、やっと目をさまして、とびだしてきた。彼はあまりのことに、まだ夢でもみている気で、目をこすっていた。
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
今朝の景色けしき寝坊ねぼうのあなたに見せたいようだった。何しろ日がかんかん当ってるくせもやがいっぱいなんでしょう。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いくら寝坊ねぼうのおん大将たいしょうにせよ、それで眼がさめないはずはなく
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「その癖朝湯に行ける日は、きっと寝坊ねぼうなさるのね」と細君は調戯からかうような口調であった。小六は腹の中でこれが兄の性来うまれつきの弱点であると思い込んでいた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は寝坊ねぼうをした結果、日本服にほんふくのまま急いで学校へ出た事があります。穿物はきもの編上あみあげなどを結んでいる時間が惜しいので、草履ぞうりを突っかけたなり飛び出したのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「気を許して寝ると、寝坊ねぼうをするつもりはなくっても、つい寝過ごすもんだな」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)