唯、心寂かな精進によつて、待つべき神興を考へて居たらしい。彼は、感謝の念を持ち易かつた。彼は、すぐれて印象的な叙景詩にも進んだ。
海のあなたの寂かな国の消息を常に聞き得た祖先の生活から、私の古代研究の話は、語りはじめるであらう。
寂かな夜である。やがて鶏鳴近い山の姿は、一様に露に濡れたやうに、しつとりとして静まつて居る。谷にちら/\する雪のやうな輝きは、目の下の山田谷に多い、小桜の遅れ咲きである。
“寂(わび・さび)”の解説
わび・さび(侘《び》・寂《び》)は、慎ましく、質素なものの中に、奥深さや豊かさなど「趣」を感じる心、日本の美意識。美学の領域では、狭義に用いられて「美的性格」を規定する概念とみる場合と、広義に用いられて「理想概念」とみる場合とに大別されることもあるが、一般的に、陰性、質素で静かなものを基調とする。本来は侘(わび)と寂(さび)は別の意味だが、現代ではひとまとめにして語られることが多い。茶の湯の寂は、静寂よりも広く、仏典では、死、涅槃を指し、貧困、単純化、孤絶に近く、さび(寂)はわびと同意語となる。人の世の儚(はか)なさ、無常であることを美しいと感じる美意識であり、悟りの概念に近い、日本文化の中心思想であると云われている。
(出典:Wikipedia)
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