)” の例文
「せんせせんせ、それよりもまだ大騒動おおそうどうなんよ。米屋の竹一んは、ぬすっとにはいられたのに、なあ竹一。米一ぴょう、とられたんなあ」
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
「なあ健、お土産買うてきてやるせに、おもちゃや、バナナや、な。かしこいせに健、おばあさんで待っちょれよ、え。」
大根の葉 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
「ほんなら、広島のミチ姉さんい行くか——広島なら高等へ行くだけで女学校いは行けんぞ。やっぱり神戸がえいな」
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
ケッタカ、ケッタカ。蹴ってやる。おどれや。もう健にくされ、健はうちのこおとちがうがい、健い帰にくされ。
大根の葉 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
「知らん。見えなんだ。——その小母さん、おしろいつけて、きれい着物きとった。マッちゃんよめにきたんとちがうかって、小ツルさんがいうんで」
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
「お母さん、健、ほんなおばあさんで待っちょろか。——おばあさんの太郎さんと、秀子ちゃんと遊んで待っちょろか。——浜で遊んで待っちょろか、よう。」
大根の葉 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
マッちゃんのお父さんがよわって、はじめはやさしげにすかしたけんど、なかなかマッちゃんがはなれんので、あとは頭にげんこつかましたり、背中をどづいたりしたん。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
「実枝はやっぱり六年すんだらカヤノ姉さんい行くか」と聞いた。実枝はだまっていた。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
その晩深川の兄さんに泊ってえ、月曜日に東京見物してえ、その晩夜行にのってえ、あくる日神戸の君代姉さんにちょっとよってえ、その日の船で戻ったら、まる三日で戻ってこれらあ。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)