娘気むすめぎ)” の例文
旧字:娘氣
此の重二郎はそれらの為にくまでに零落おちぶれたか、可愛かわいそうにと、娘気むすめぎ可哀かあいそうと云うのも可愛かわいそうと云うので、矢張やはりれたのも同じことでございます。
時に、さすがに、娘気むすめぎ慇懃心いんぎんごころか、あらためて呼ばれたので、頬被ほおかぶりした手拭てぬぐいを取つて、うつむいた。
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
云ったのやら娘気むすめぎというものはたわいのないものとうれいのうちにも安堵あんどの胸をさすり
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
歳のゆかん娘気むすめぎに思い違いを致し、一層いっそ尼にでも成ろうと心を決し不図家出を致しましたが、向島の白髭しらひげそば蟠竜軒ばんりゅうけんという尼寺がございます、こゝへ駈込んで参りましたが