妄信もうしん)” の例文
奴隷のうちで最もいけないのは、おのれの思想の奴隷となって、それにすべてをささげることである。自己を妄信もうしんしてはいけない。
そしてその一点だけをみるなら決して妄信もうしんではないのである。しゅくん頼胤の心はもはや寅寿の上にはない。内膳にはそれがよくわかっていた。
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
の古語をんで、一玄蕃を粉砕ふんさいするにも、美濃から引ッさげて来た全軍をそそいだのである。——が、彼はその量をもって妄信もうしんしている愚者ではない。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
歓楽の根本であると妄信もうしんして、これに愛着し、これに執着するこころが、苦の原因だと釈尊はいわれているのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
これを誤解すれば、物理学を神の掟のように思って妄信もうしんしてしまうか、さもなくば反対に物理学の価値を見損なって軽侮してしまうかの二つに一つである。
物理学実験の教授について (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
それとも、やはりロンドン警視庁スコットランド・ヤアドの一部が見込みを立てたとおりに、狂える医師ででもあったか。あるいは一説のごとく、宗教上の妄信もうしんをいだく狂言者か。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
土偶どぐう頭部たうぶ或は手足部しゆそくぶ欠損けつそんせる事常なること、恐くは一種いつしゆ妄信もうしんの爲、故意に破壞はくわいせるに由るならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
彼は夢の中の心理状態で、それを妄信もうしんしていた。「あいつ」というのは、勿論、音吉爺やであったのだ。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
欺瞞ぎまんは一七八九年をめとり、神法は一つの憲法の下に隠れ、擬制は立憲となり、特権や妄信もうしんや底意は
神州不壊ふえなどという妄信もうしんの敵ではないのです、それを理解しようとせずして、或いは之に眼をつむって、夷狄なんするものぞと高吟するような態度は
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
熱情に駆られた者が有する無意識的な妄信もうしんさで彼は、その貞節な惑乱せる処女の心の底に燃えてる若々しい熱気に、一つの深い真実さまでも見出した。
対立は、対立あるによって、生きる道と、成功とを妄信もうしんする一部の人間を、当然、培養してゆく。
証明のできない言明を妄信もうしんするのも実はやはり一種の迷信であるとすれば、干支に関するいろいろな古来の口碑もいつかはまじめに吟味し直してみなければならないと思われるのである。
自由画稿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ところが次に、クリストフがほんとうにそれらの言葉を妄信もうしんしていることを見て取ると、彼女は彼を狂者だと判断して、もはや、彼に興味を覚えなかった。
まず味方を妄信もうしんさせられたことがある、激しい戦いのさなかに、一軍の統帥たる身が死んだと偽ることは、その計策の価値とは離れて、非常な英断と云わなければならない
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その妄信もうしんから時々、奇蹟が生ずる。すると、大祭を行う。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どれを読んでも自分のことだと妄信もうしんするかもしれない。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
という、自我の妄信もうしんを強く抱いた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どれを読んでも自分のことだと妄信もうしんするかもしれない。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)