如実によじつ)” の例文
予等よらは芸術の士なるが故に、如実によじつに万象をざるべからず。少くとも万人の眼光を借らず、予等の眼光を以て見ざる可らず。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そしてそれは、只如実によじつに表現されゝば、正に文藝としての価値を生ずるに違ひないものである。
「私」小説と「心境」小説 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
志賀直哉しがなほや氏の蔵する宋画そうぐわに、蓮花れんくわさぎとをゑがいたのがある。南蘋なんぴんなどの蓮の花は、このよりも所謂いはゆる写生に近い。花瓣のうすさや葉の光沢くわうたくは、もつと如実によじつに写してある。
支那の画 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
葛飾北斎かつしかほくさい水滸画伝すゐこぐわでん揷画さしゑも、誰か又是を以て如実によじつに支那を写したりと云はん。
かう云ふ事実は近松の世話ものに如実によじつと云ふ感じを与へ易い。