女子にょし)” の例文
その後幾年月かは至極楽しそうだ、真に楽しそうだ、恐らくたのしみという字の全意義はかかる女子にょしの境遇において尽されているだろう。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
一 それ女子にょしは成長して他人の家へ行きしゅうとしゅうとめつかふるものなれば、男子なんしよりも親の教ゆるがせにすべからず。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一も西洋二も西洋と。かの風俗てぶりをのみまなぶこととなりぬ。これなん第一回にいでし。篠原浜子の父通方みちかたなり。年は五十をこしたれども。男子なんしなくただ一人の女子にょし浜子のみなりければ。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
御親父様の御名跡ごみょうせきをおぎ遊ばし、平左衞門と改名され、水道端すいどうばた三宅みやけ様と申上げまするお旗下はたもとから奥様をお迎えになりまして、程なく御出生ごしゅっしょうのお女子にょしをおつゆ様と申し上げ、すこぶ御器量美ごきりょうよしなれば
然し忽ちうんで了う、則ち恋に倦でしまう、女子にょしの恋に倦だ奴ほど始末にいけないものは決してほかにあるまい、僕はこれを憎むべきものと言ったが実は寧ろあわれむべきものである
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
恋愛に倦みたる欠伸は女子にょしの天性、一は最も悲しむべく、一は尤も憎むべきものである
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)