奈破翁ナポレオン)” の例文
ドオモの前の広場には伊太利イタリイ皇帝としての奈破翁ナポレオンの騎馬の記念銅像があり、其処そこが各所に通ずる電車の交叉点だけに人と車で雑沓ざつたふを極めて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
横井の理想的人物は、華盛東ワシントンにあり、佐久間の理想的人物は彼得ペートルにあり、奈破翁ナポレオンにあり。横井は曰く、「堯舜孔子の道を明らかにし、西洋器械の術を尽くす」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
第一次の革命にあずかった有志は皆国外に放逐されるやら暗殺されるやら、やがては袁が奈破翁ナポレオンやシイザルの故智に倣って自ら帝位にこうなどという大それた妄想を抱いたりなどして
皇后ジヨセフインに別れた奈破翁ナポレオン一世や、前の夫人にしに別れたモリエエルが常に此処ここへ来てたのしまぬ心を慰めたと云ふ話をしながら、少時しばらく柔かい春の初めの入日いりひてらされて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
さあそうなると、このたびは武力を有するものが一番躍出おどりだしてこれを鎮定するということになって、奈破翁ナポレオンがついに一手にこれをぶるということになったのである。仏国にして既にしかりだ。
その歴史上のめでたい記念に建てられたのがこの石像の由来である。後世奈破翁ナポレオン始め幾多の君主がこの噴水をうて裸の幼王に捧げた衣裳が日本で云へば長持ながもちに一杯と云ふ程今も保存されて居るさうである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)