大金おおがね)” の例文
手足の動かぬを何にかせむ、歌妓うたひめにも売れざるを、塵塚ちりづかに棄つべきが、目ざましき大金おおがねになるぞとて、北叟笑ほくそえみしたりしのみ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「それだけでげすか。……井戸掘りに行きさえすれば、何かあっしに、大金おおがねの授かることがあるんでしょうか」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お里が頼む中、両手を後へ廻し、端折を直し「べらばうめえ、大金おおがねになる大仕事だ、そこ放しやあがれ」と両手の掌に軽くつばをふきかけて、その掌を揉合もみあわせ、下手へ行く。
始めはあの新説で世間をッと云わせて虚名きょめいを博しよう位のところだったらしいが、いよいよというときには事務室の金庫から彼が消費つかいこんだ大金おおがね穴埋あなうめに、『赤外線男』を利用したわけだった。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
自分を楽しませた後に、むろの港へもってゆけば、大金おおがねになる女だ、しかも今夜のは、やんごとなき上﨟じょうろうの君で、年ばえも瑞々みずみずしく、金釵きんさ紅顔というからの詩にある美人そのままの上玉だ、ぬかるなよ
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大金おおがねもうけのたね
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「それッ、帆綱ほづなをひけ! 大金おおがねもうけだ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)