大椿事だいちんじ)” の例文
かれはさすがに、職掌しょくしょうがら落ちついていて、あのような大椿事だいちんじのときにもあわてないで、ひとりのあやしい人物をみとめたのだ。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
けれど、それらの変異に馴れッ子になっていた人心も、六月十一日の四条河原の勧進田楽かんじんでんがく大椿事だいちんじにはきもをつぶして、これはただ事ではないぞとみなおぞけをふるッた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
塔の下には、警察や青年団の提灯ちょうちんが群がり、持久戦の陣がかれた。群集の中には、徹夜の決心で、食料品を買込んで、尻を落ちつける者もある。恐らく警察初まって以来の大椿事だいちんじだ。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
噂は更に尾鰭おひれを生じて、殆ど前代未聞の大椿事だいちんじとまで伝えられた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
、うんと使いすぎると、あのような大椿事だいちんじがもちあがるでしょう。そのことはあらかじめ、十分注意しておかねばなりません
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それは二十日ほど前に遭遇そうぐうした四条勧進田楽かんじんでんがく大椿事だいちんじのときである。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
河合少年の祈りが神様のお耳に届いたせいでもあったろうか、さしもの大椿事だいちんじも、ようやくにおさまった。あの耳をうつ震動音の響もいまはどこへやら。
火星探険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
なんとかして、先生をたすけること、それから、この大椿事だいちんじを東京へ知らせること、この二つを早くやらなければ、彼のつとめがすまない。彼は、決心をした。
氷河期の怪人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
警官隊は、オートバイをそこへころがすと、一せいに飛下り、息をとめて、大椿事だいちんじを見まもった。
火星兵団 (新字新仮名) / 海野十三(著)
したがってR事件も遂にその真相を知られないでしまい、後へ行って大椿事だいちんじを迎えるに及んで始めてあれがその椿事の前奏曲だったかと思いあたるようなことになったかも知れない。
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「あ、あいつだ。あいつが、この大椿事だいちんじをおこしたんだ。あいつをとらえろ」
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
現に十年ほど前英国えいこくで、列車大衝突れっしゃだいしょうとつ大椿事だいちんじをひきおこしたことがあったが、そのときのぶっつけた方の運転士は、色盲しきもうだったことが後に判明して、無期懲役の判決をうけたのが無罪になった。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あの一大椿事だいちんじが突発したのは……。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
大椿事だいちんじ
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
大椿事だいちんじ
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)