大廟たいびょう)” の例文
大廟たいびょうに入りて、事毎に問う。或ひと曰く、たれ鄹人すうひと礼を知ると謂うか。大廟に入りて事毎に問うと。子之を聞きて曰く、是れ礼なりと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それよりも大廟たいびょうの伊勢というべきでありましょう。四日市よっかいちや津や松阪や宇治山田は、この国の大きな町々であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
常住の我身を観じ喜べば、六尺の狭きもアドリエーナスの大廟たいびょうと異なる所あらず。成るがままに成るとのみ覚悟せよ
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
伊勢の大廟たいびょうから二見の浦、宇治橋の下で橋の上から参詣さんけい人の投げるぜにを網で受ける話や、あいの山で昔女がへらでぜにを受けとめた話などをして聞かせた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
よ、犠牲になる牛を見ずや。首に錦鈴きんれいを飾り、美食を飼わしているが、曳いて大廟たいびょうの祭壇に供えられるときは、血をしぼられ、骨を解かれるではないか)
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊勢いせ大廟たいびょうを二十年ごとに再築するのはいにしえの儀式の今日なお行なわれている一例である。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
常住の吾身わがみを観じよろこべば、六尺の狭きもアドリエーナスの大廟たいびょうことなる所あらず。成るが儘に成るとのみ覚悟せよ
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「ただ今、大廟たいびょうに詣でられて、功臣閣へおのぼりになっておられます」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)