夕光ゆふかげ)” の例文
筑紫の、はじ木原こばら、木原には夕光ゆふかげ満ち、夕光に鷽鳥うそどり啼けり。宰府道、ここの木原に、飼鳥かひどりの、よき鷽鳥うそどりを、もつあらしも。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
朝光あさかげ雲居くもゐ立ち立ち、夕光ゆふかげうしほ満ち満つ。げにここは耶馬台やまとの国、不知火しらぬひや筑紫潟、我がさとは善しや。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
朝かげに咲きてすずしき木はちすの夕光ゆふかげも見ずときけばかなしき
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
つれづれとつくばふ鹿のいくたむろ夕光ゆふかげの野にあらはにぞ見ゆ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
風立ちて夕光ゆふかげあかし刈り棄てにそこばくねかす夏そばの花
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
夕光ゆふかげにがた馬車駆るはあはただし小林区署の人にあらずか
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あやに飛ぶ雲のうへ引くすぢ雲は夕光ゆふかげにしてさらに氣遠けどほ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
あやに飛ぶ雲のうへ引くすぢ雲は夕光ゆふかげにしてさらに気遠けどほ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ひたおもて水にかぎろふ夕光ゆふかげのひと幅の動き我にとぞ來る
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
ひたおもて水にかぎろふ夕光ゆふかげのひと幅の動き我にとぞ来る
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
夕光ゆふかげ諸葉もろはかがよふ黄の銀杏わが腰掛は庭に置きたる
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
家の戸に去勢無料としるしたり夕光ゆふかげあつきこの往還を
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)