声高こえたか)” の例文
旧字:聲高
三人の通った座敷の隣に大一座おおいちざの客があるらしかった。しかし声高こえたかく語り合うこともなく、ましてや絃歌げんかの響などは起らなかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
女神めがみらは、って、素足すあしで、ながい、緑色みどりいろ裳裾すそをひきずって、みだれていました。また、男神おがみは、声高こえたからかに
海の踊り (新字新仮名) / 小川未明(著)
ここは農夫の客にめられたりしがようやくきしなり。となりひげうるわしき男あり、あたりをはばからず声高こえたかに物語するを聞くに、二言ふたこと三言みことの中に必ず県庁けんちょうという。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)