圖々づう/\)” の例文
新字:図々
彼女の圖々づう/\しい冷淡さが、私をいら/\させたのである。また彼女は私を見た。しかも同じやうな詮穿せんさくするやうな意識した眼で。
なに圖々づう/\しく、わたしが、おおくまをしませう、とひかねもしませんが、じつは、つた、狂人きちがひですから、二人ふたり連立つれだつてまゐつたんぢや、荒立あらだてさせるやうなものですからね。……
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「さつき、圖々づう/\しく、お母さまに、あんな返答をした罰だ。窓掛の背後うしろになんか、こそ/\隱れやがつて、いまみたいな、あんな眼つきをすると、かうだぞ、この鼠!」
沓脱くつぬぎそばうづくまつて、揉手もみでをしながら、圖々づう/\しいをとこで、ずツとかほ突出つきだした。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)