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唇頭
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しんとう
ふりがな文庫
“
唇頭
(
しんとう
)” の例文
すると相手は、嘲るような微笑をちらりと
唇頭
(
しんとう
)
に浮べながら、今度は静な口ぶりで、わざとらしく問いかけた。
西郷隆盛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
天地の間に生れたるこの身を
訝
(
いぶ
)
かりて、自殺を企てし事も幾回なりしか、是等の事、今や我が日頃無口の
唇頭
(
しんとう
)
を洩れて、この老知己に対する懺悔となり、
刻
(
とき
)
のうつるも知らで語りき。
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
即ちこの思想は不言の万人の胸中に自ずから共通に存在するもので、その語のみがただルーソーの
唇頭
(
しんとう
)
より初めて
迸
(
ほとばし
)
り出たというに止まる。この権利の観念からして、個人主義なるものも現れた。
永久平和の先決問題
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
渠は
唇頭
(
しんとう
)
に
嘲笑
(
ちょうしょう
)
したりき。
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
笑声
嗚咽
(
をえつ
)
共に
唇頭
(
しんとう
)
に溢れんとして、
殆
(
ほとんど
)
処の
何処
(
いづこ
)
たる、時の
何時
(
なんどき
)
たるを忘却したりき。
開化の殺人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
彼はこの
恍惚
(
くわうこつ
)
たる悲しい喜びの中に、
菩提樹
(
ぼだいじゆ
)
の念珠をつまぐりながら、周囲にすすりなく門弟たちも、眼底を払つて去つた如く、
唇頭
(
しんとう
)
にかすかな
笑
(
ゑみ
)
を浮べて、
恭々
(
うやうや
)
しく、臨終の芭蕉に礼拝した。——
枯野抄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
唇
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
頭
常用漢字
小2
部首:⾴
16画
“唇”で始まる語句
唇
唇元
唇歯
唇辺
唇許
唇紅
唇歯輔車
唇形
唇鳴
唇奴