咽笛のどぶえ)” の例文
灰にして、破れかぶれになっている旅川周馬だ。さ、おれに指でもさすなら、差してみろ、その代りにゃ、貴様が一足ふみ出す前に、お千絵の咽笛のどぶえを突きぬいてくれる
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と云う所を、押倒しざま林藏が差して居ました小脇差を引抜いて咽笛のどぶえへプツーリ突通つきとおす。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
がな、すきがな、牝の姿が立違うて、ちょっとの間見えぬでも、みついて、咽笛のどぶえ圧伏おしふせるようにゃ、気精をんだは何のためや、お冬おのれが、ここな、この、木彫師、直槙。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「相棒は氣が變つた。左吉松の匕首を取上げると、後ろから馴々しく近寄つて、自分で自分を縛つて居る左吉松の咽笛のどぶえを、一と思ひに掻ききり、二千五百兩の小判をさらつて逃げ出してしまつた」
所が悲しい事には支那人の頭は前の方をすって居るから旨く届かぬ僅に指先で四五本つかんだが其中に早や支那人の長い爪で咽笛のどぶえをグッと握まれ且つ眉間を一ツ切砕きりくだかれウンと云って仰向にうしろへ倒れる
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)