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吉瑞
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きちずゐ
之が
吉瑞と
成けん、此年此家の
娶初産に
男子をまうけ、やまひもなくておひたち、三ツのとし
疱瘡もかろくして今年七ツになりぬ。
その名をぬひと呼ぶと聞きて、
行先人の妻となりてたちぬひの業に家を修むる
吉瑞ありと打ち笑ひぬ。時も移りて我は老婆と少娘との
紙帳に入りて
一宵を過ごしぬ。
初君が哥に「ものおもひこし
路の
浦の
白浪も立かへるならひありとこそきけ」此哥
吉瑞となりてや、五年たちてのち
嘉元元年為兼卿
皈洛ありて、九年の
後正和元年
玉葉集を
撰の時
初君が哥に「ものおもひこし
路の
浦の
白浪も立かへるならひありとこそきけ」此哥
吉瑞となりてや、五年たちてのち
嘉元元年為兼卿
皈洛ありて、九年の
後正和元年
玉葉集を
撰の時