可成よしなり)” の例文
平手中務ひらてなかつかさは相果てましたが、柴田修理権六、林佐渡通勝はやしさどみちかつ、池田勝三郎信輝、佐久間大学、森可成よしなりなど、なお人物は尠なしとしません。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大高、沓掛くつかけ等をも占領した。信長は今度は笠寺を攻めて見たが豊政驍勇ぎょうゆうにして落城しそうもない。そこで信長は考えた末、森可成よしなりを商人に化けさせて駿河に潜入させ、義元に豊政のことを讒言ざんげんさせた。
桶狭間合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
馬首を揃えて、続いて来るのは、柴田権六、森可成よしなり。——それに熱田の町の入口から人数へ加わった加藤図書ずしょなどであった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第五陣 森 可成よしなり
姉川合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
それでも近頃はお小姓の中にじって、どうやら何か勤めているらしいので、可成よしなりも、城内の便りは楽しみの一つだった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
森三左衛門可成よしなりは、その奉行役として、適任ではあったが、武士は誰しも、こういう文官的な任務よりも、戦場に押しやられる方が好ましかった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
青池駿河守、道家清十郎、森三左衛門可成よしなり、そのほか織田家の名ある士たちの首級しるしを、飽き飽きするほど、検分した。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、いうのは、蘭丸の老母——森三左衛門可成よしなりの後家の妙光尼みょうこうにと、本願寺方の謀将鈴木重行しげゆきとは、かねがね信長にはごく内密で文通などわしていた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まだそこらには、討死した信治のぶはるや森可成よしなり道家どうけ清十郎などの血も乾いておるまい。——めいせよ、忠烈なる亡魂ども、そちたちの鮮血を、あだにはせぬぞ。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で——退出を待ち構えているとやがて森可成よしなりは、まだ、六、七歳にしかならない髫髪うないがみわらべの手をひきながら、拝領のお菓子を片手に持って、退さがって来た。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いま織田家のうちで重きをなしている方々といえば——まず林佐渡守どの、佐久間信盛どの、森可成よしなりどの」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼らの亡父ちち、森三左衛門可成よしなりの忠節が、深く信長の胸に銘記めいきされていたことも間違いないにせよ、信長が蘭丸に傾けている信用と寵愛は、また格別なものがある。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そちの父可成よしなりは、去年、叡山えいざんをかこむ前、朝倉の大軍と僧兵につつまれ、宇佐山うさやまの城と共に相果てた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼の母というのは、妙光尼みょうこうにといって、いうまでもなく、織田家の忠臣森三左衛門可成よしなり後家ごけである。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
光秀も、初めて解けて打ち笑うと、可成よしなりも、自分の考えが的中したので、愉快そうに微笑した。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何か兄の蘭丸に叱言こごとをいわれているらしかった。蘭丸兄弟は三名とも小姓組にいる。これはよく兄弟喧嘩のもととなるらしい。すでに森三左衛門可成よしなりの子もみな成人したと今さら思い出されて来る。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)