古諺こげん)” の例文
「兵は凶器なり」という支那の古諺こげんにも、戦争を以て「正義人道を亡す暴力なり」とするトルストイの抗議にも私は無条件に同意する者です。
何故の出兵か (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
ふぐを恐ろしがって食わぬ者は、「ふぐは食いたし命は惜しし」の古諺こげんに引っかかって味覚上とんだ損失をしている。
河豚食わぬ非常識 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
注意深い彼に似合わしからぬ立派な犯跡をのこすことになるのでネ。ところが御覧のとおりダイヤルは受信機の下に転げこみ、所謂いわゆる灯台下暗とうだいもとくらしの古諺こげんに彼奴はしてやられたのです。
赤耀館事件の真相 (新字新仮名) / 海野十三(著)
憫むべき鱷は斯の如き長大なる物を呑みたる為め頻に落涙しをれり。我国の古諺こげんに曰く。まねかざる客は韃靼人だつたんじんよりもまると。鱷は縦令たとへ落涙すとも、胃中の寄住者を如何いかんともする事能はざるなり。
スコッファーン説に、スコットランドの古諺こげんに、犬の命三つ合せて馬の命、それを三つ合せて人の命、それから鹿、鷲、槲樹かしわと、三倍ずつで進み増すとあるそうで、馬と鹿の間に人があるも面白い。
 古諺こげんふ。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)