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口舌
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こうぜつ
ふりがな文庫
“
口舌
(
こうぜつ
)” の例文
いらざる抵抗は避けらるるだけ避けるのが当世で、無要の口論は封建時代の遺物と心得ている。人生の目的は
口舌
(
こうぜつ
)
ではない実行にある。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
むしろ
独居
(
どっきょ
)
の生活こそ下僚からもいぶかられている。——いや、そう思ったのは、すでに王婆の
口舌
(
こうぜつ
)
に口説き落されていたものといえよう。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もはや時勢も
此
(
ここ
)
に至り
候
(
そうろう
)
てはさらに言語
口舌
(
こうぜつ
)
をもって
是非曲直
(
ぜひきょくちょく
)
を争い
難
(
がた
)
ければ、腕力のほかこれなかるべし。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
下々の人情も天下の御政事も早い話が皆同じ
訳合
(
わけあい
)
と
諦
(
あきら
)
めてしまえばそれで済むこと。あんまり大きな声で
滅多
(
めった
)
な事をいいなさるな。
口舌
(
こうぜつ
)
元来
(
がんらい
)
禍之基
(
わざわいのもとい
)
。壁にも耳のある世の中だ。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そのくせ信念もなければ格別の
達見
(
たっけん
)
も持ってはいないので、ただ自己をつくろうに
詭弁
(
きべん
)
と
口舌
(
こうぜつ
)
の才を以てすることになる。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「君、僕を単に
口舌
(
こうぜつ
)
の人と
軽蔑
(
けいべつ
)
してくれるな」と云った兄さんは、急に私の前に手を突きました。私は
挨拶
(
あいさつ
)
に窮しました。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
美濃に聞えの高い大沢治郎左衛門ほどな人物が、なんでその方ごとき者の
口舌
(
こうぜつ
)
に安心して、信長に降ってくるわけがあろうぞ——とこう意外な仰せではないか
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「昨夜はこれへ来て、旧主へ弓をひき、今朝はこれへ来て、
口舌
(
こうぜつ
)
の毒策を試むるか。あの
曲者
(
しれもの
)
を射ろ」
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「汝は、
口舌
(
こうぜつ
)
の匹夫で、真の勇士ではあるまい。そういいながらまた逃げだすなよ」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兵学、弓術、馬術、邸内でできることなら何にでも
対手
(
あいて
)
になる。居候のくせにして
三位卿
(
さんみきょう
)
有村、妥協が嫌いだから時々
口舌
(
こうぜつ
)
火を発し、ひいては、ただちに、幕府討つべし! ということになる。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“口舌”の意味
《名詞》
口と舌。
弁舌。口先。
(出典:Wiktionary)
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
舌
常用漢字
小6
部首:⾆
6画
“口舌”で始まる語句
口舌八景
口舌法