とッ)” の例文
ペエジをやッつ、とッつして、眠気ざましに声を出して読んでいたが、こう夜が更けて、可恐おそろしく陰気にとざされると、低い声さえ、びりびりと氷を削るように唇へきしんで響いた。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と言い懸けて向直り、左側の焼芋屋の店へ、正面を切ってゆるいで入る。この店は古いもので、とッつきの行燈あんどうに、——おいしくば買いに来て見よ川越かわごえの、と仮名書かながきして、本場○焼俵藤助たわらとうすけ——となん。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)