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取懸
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とりかゝ
そして何時とは無く
病的に華族嫌となツて了ツた。此の反動として、彼は
獨斷で、父の
所思に頓着なくドシ/\繪畫の研究に
取懸つた。
蓋し土地の人は
八幡に比し、恐れて奥を探る者無く、見るから
物凄き
白日闇の別天地、お村の死骸も
其処に
埋めつと聞くほどに、うかとは足を
入難し、予は
先づ
支度に
取懸れり。
周三は、此のモデルを
得て、製作熱を
倍加した。
屹度藝術界を驚かすやうな一
大傑作を描いて見せると謂ツて、
恰で熱にでも
罹ツたやうになツて製作に
取懸ツた。