取下とりおろ)” の例文
ぎがてにあいちやんは、たなひとつから一かめ取下とりおろしました、それには『橙糖菓オレンジたうくわ』と貼紙はりがみしてありましたが、からだつたのでおほいに失望しつばうしました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
五助は身をひねって、心覚こころおぼえうしろざまに棚なる小箱の上から、取下とりおろした分厚な一てつの註文帳。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何でも昨日の朝とかから、親鳥は餌を運び始めていたというが、私はとうとう様子を見ずにしまった。そんな小さな目も見えぬものを、彼等は取下とりおろしてどうしたというのであろうか。
取下とりおろし、あはや打碎かんとす。楓はおどろきて取縋る。
修禅寺物語 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)