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危懼
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きぐ
ふりがな文庫
“
危懼
(
きぐ
)” の例文
すべてが奇蹟とも見え、かつすべてが当然とも思われる。しかしながら、僕の感傷的な憂国の情が、祖国の将来に抱かずにおけない
危懼
(
きぐ
)
…………。
二十歳のエチュード
(新字新仮名)
/
原口統三
(著)
すると、その茫漠とした意識の中から、なんとなく氷でも踏んでいるかのような、鬱然とした
危懼
(
きぐ
)
が現われてきた。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
何故なら、野村も実は二川が発狂したのではないかと、
私
(
ひそ
)
かに
危懼
(
きぐ
)
の念を抱いていたからだった。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
テナルディエは最後の
危懼
(
きぐ
)
もしくは最後の用心をおさえつけて、捕虜の方へ歩を進めていた。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「お
謂
(
いい
)
でないよ。」と繰返して、「今に御客も来るし、今朝のね、彼の件はきっと謂わないだろうね。」と幾多の
危懼
(
きぐ
)
、憂慮を包める
声音
(
こわね
)
、==お謂でないよ==は
符牒
(
ふちょう
)
のようなり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
私は感謝と不安と
危懼
(
きぐ
)
と実に複雑した気持を経験しながら夢とも
現
(
うつつ
)
ともなしに暁に及んだ。
然
(
しか
)
るにいまいましいではないか、暁になつて遂にまた手の甲と
咽
(
のど
)
のところを南京虫に襲はれたことを知つた。
南京虫日記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
奈辺
(
なへん
)
にあるや疑うばかりでなく、それぞれに
危懼
(
きぐ
)
と
劃策
(
かくさく
)
を胸に包んでいると見えて、ちょっとの間だったけれども、妙に腹の探り合いでもしているかのような沈黙が続いた。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
“危懼”の意味
《名詞》
危 懼(きく)
あやぶみ、おそれること。
(出典:Wiktionary)
危
常用漢字
小6
部首:⼙
6画
懼
漢検1級
部首:⼼
21画
“危”で始まる語句
危
危険
危惧
危篤
危殆
危險
危急
危難
危害
危機