かなは)” の例文
話し實意を打明うちあけて御願ひ申なば命乞いのちごひの事かなはぬ儀は有まじ然なり/\と其儘駈出かけいだして見付驛なる可睡齋かすゐさいの臺所へ駈込かけこみ三五郎は手をつき何卒御住持樣ぢうぢさまに御目通りを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御聞いれなき時は是非におよばねども兎に角和尚樣をしやうさまに御目に掛り一とほり願ひ上げかなはぬ時はかへる分の事私より決して手出は致さぬと云つゝ其所に居しこるにぞ弟子でし番僧ばんそう立騷たちさわぐを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
引つゝ阿部川宿のたくいたり見るに母は中氣ちうきにて手足かなはず一人の娘を相手あひて難儀なんぎの樣子なり娘お節は母に向ひ右の次第を委細くはしく話せば母は大いに驚きかつよろこび九助に逢てあつく禮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)