半座はんざ)” の例文
船室にりて憂目うきめいし盲翁めくらおやじの、この極楽浄土ごくらくじょうど仏性ほとけしょうの恩人と半座はんざを分つ歓喜よろこびのほどは、しるくもその面貌おももちと挙動とにあらわれたり。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と勇をす。不図ふと半座はんざを分けた風呂敷包が目をいた。チョコレートだ。アメリカでは娘をチョコレートで釣る。
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「そもそも半座はんざを分けるなどとは、こういう敵手あいてつかやすい文句じゃないのだ。」
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「他ならぬ君のことだ。何かの因縁だよ。半座はんざを分けて来世らいせまで附き合おう」
変人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「おい、君、最少もすこしそっちへ寄ッた。この爺様じいさん半座はんざを分けるのだ。」
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)