午近ひるちか)” の例文
人目ひとめけるために、わざと蓙巻ござまきふかれた医者駕籠いしゃかごせて、男衆おとこしゅう弟子でし二人ふたりだけが付添つきそったまま、菊之丞きくのじょう不随ふずいからだは、その午近ひるちかくに、石町こくちょう住居すまいはこばれてった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
その誠が通ったか、あくる朝、江田善兵衛や村井河内守などが遊びに来て、何かと、忌憚きたんのない話をして帰ったが、午近ひるちかい頃、あらためて、政職の使いとして、益田孫右衛門が彼を迎えに来た。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)