勝利かち)” の例文
我儘わがまま過るとお清から苦情の出る場合もあったが、何しろお徳はお家大事と一生懸命なのだから結極つまりはお徳の勝利かちに帰するのであった。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
わがおちいらんとする罪を洗ひて我を淨むるが故に知るべし、長く約し短く守らば汝高きくらゐにありて勝利かちとなふることをえん —一一一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
いけを、あさから日沒につぼつまで、歩調ほてう遲速ちそくろんぜぬ、大略おほよそ十五時間じふごじかんあひだに、幾𢌞いくまはりか、囘數くわいすうおほいのをもつ勝利かちとする。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
勝利かちのおもひに漲れる
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
およびターリアコッツォのあたり、乃ち老いたるアーラルドが素手すでにて勝利かちをえしところにいまなほ骨を積重ぬる者之に加はり —一八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
こゝには己が徳によりてグレゴーリオを動かしこれに大いなる勝利かちをえしめしローマの君の榮光高き事蹟を寫せり 七三—七五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
答へて曰ひけるは、われこゝにくだりてほどなきに、ひとりの權能ちからあるもの勝利かち休徴しるしかうむりて來るを見たり 五二—五四
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
わが姉妹(その美その善いづれまされりや我知らず)は既に高きオリムポによろこびて勝利かちの冠をうく。 一三—一五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)