勅勘ちょっかん)” の例文
親鸞は、勅勘ちょっかんの身と、一度はかたく辞退したが、すでに京都へは年景から文書をもって届け出てあるとのことに
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は大床おおゆか階段きざはしの下で狐を射損じたために勅勘ちょっかんの身となった。その後いずこに忍んでいるとも聞かなんだが、さては山科に隠れていて、藻は彼の娘であったか。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
私のように官位を剥奪はくだつされるほどのことでなくても、勅勘ちょっかんの者は普通人と同じように生活していることはよろしくないとされるのはこの国ばかりのことでもありません。
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
中途で退出したことを聞召きこしめされて大いに御気色みけしきを損ぜられたので、浄蔵は深く勅勘ちょっかんの身をつゝしみ、三箇年の間横川よかわ首楞厳院しゅりょうごんいん籠居ろうきょして修練苦行の日を送ったと云うが、世間一般の人々は
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
するとそれを侍たちはむちを上げて追いかけ、勅勘ちょっかん流人るにんれる説教を聞くやつばらは同罪に処すぞ! ——こう呶鳴りながら、追いまわすのでございました
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
当の獲物を射損じたばかりか、事にのぞんで弓弦が切れたのは平生ひごろの不用意も思いやらるるとあって、彼は勅勘ちょっかんの身となった。彼は御忠節を忘れるような人間ではなかった。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
また、玉日が身と、房丸が身とは、かように勅勘ちょっかんこうむって流さるる私が、配所へ連れ参ることもかないませぬよって、何ぶんともに、ご不愍ふびんをおかけ賜わりませ
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)