劉皇叔りゅうこうしゅく)” の例文
「わははは、何を戸惑うて。——これ両人、きょうはいにしえ鴻門こうもんの会ではないぞ。いずくんぞ項荘こうそう項伯こうはくを用いんや、である。のう劉皇叔りゅうこうしゅく
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さもなければ、袁紹を説き伏せて劉皇叔りゅうこうしゅくを汝南に派遣するように仕向け、てまえは途中にご一行を待って、ご対面のことを計るつもりでしたが
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「されば、劉皇叔りゅうこうしゅくが、この地に新政をいてひろく人材を求めらるる由をはるかに承り、もしご縁あらばと来てみたわけです」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それへ来たものは、敵の総帥たる曹操ではないか。われこそは、劉皇叔りゅうこうしゅく義弟おとうと、燕人張飛である。すみやかに寄って、いさぎよく勝負を決しろ」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たいして才能もないこの身に対して、劉皇叔りゅうこうしゅくには、三の礼をつくし、かつ、過分な至嘱ししょくをもって、自分を聘せられた。性来の懦夫だふも起たざるを得ぬではないか。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お見えです、劉皇叔りゅうこうしゅく——新野の将軍が、もう久しいこと、階下にたって、お待ちになっておられます」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
劉皇叔りゅうこうしゅくとこの方とは、桃園に義をむすんで、天下の清掃を志し、以来百戦の中にも、百難のあいだにも、疑うとかそむくなどということは、夢寐むびにも知らぬ仲である。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
示すに余りある公論というものです。荊州の地は、当然まず呉軍からお攻めあるのがほんとです。そして万が一にも、呉の手にあまったときは、劉皇叔りゅうこうしゅくが試みにそれを
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あははは、何かと思えば夢をごらんになって劉皇叔りゅうこうしゅくのお身の上に、凶事きょうじがあったものと思いこんでいらっしゃるのですか。どんな凶夢でも夢はどこまでも夢に過ぎません。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのむかし桃園の義会に、劉皇叔りゅうこうしゅくと盟をむすんだ初めから、漢の中興を第一義と約したことゆえ、たとい剣甲を解いて、この山をくだるとしても、断じて曹操に降服はせん。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「これから先、たとえ山をひらいて喰い、石をうがって水を汲むとも、劉皇叔りゅうこうしゅくさまに従って参りとうございます。ついに生命を失っても使君しくん(玄徳のこと)をお恨みはいたしません」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや、劉皇叔りゅうこうしゅくのためには、手伝うも手伝わんもない。われらはみな一体のはずだろう。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぜひ、一日も早く参られるよう劉皇叔りゅうこうしゅくにすすめて貰いたいと、ねんごろなご希望でした
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「今日、荊州へご帰還あるという劉皇叔りゅうこうしゅくにおわさずや。遠路の途中をおなぐさめ申さんがため、いささか粗肴そこうと粗酒を献じたく、これまでお迎えに出たものです。何とぞお納めをねがいたい」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)