割木わりき)” の例文
「松、ちよつと栄坊を探してきてくれ。」とお父さんが松さんに頼む。割木わりきを割つてゐた松さんは、「へえい。」といつて栄蔵を探しに出る。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
割木わりきほどの事も大臺おほだいにして叱りとばさるゝ婢女はしたの身つらや、はじめ受宿うけやど老媼おばさまが言葉には御子樣がたは男女なんによ六人、なれども常住内にお出あそばすは御總領と末お二人
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
虎吉は食料は食料で取って、実際食う物は主人の物を食っているのである。春は笑ってこう云った。割木わりきも別当さんのは「見せ割木」で、いつまで立っても減ることはないと云った。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
割木わりきほどのこと大臺おほだいにしてしかりとばさるる婢女はしたつらや、はじめ受宿うけやど老媼おばさまが言葉ことばには御子樣おこさまがたは男女なんによにん、なれども常住じやうぢう家内うちにおいであそばすは御總領ごそうりやうすゑ二人ふたり
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)