到底どうせ)” の例文
初めお勢が退塾して家に帰ッた頃「いさみという嗣子あととりがあッて見ればお勢は到底どうせ嫁に遣らなければならぬが、どうだ文三に配偶めあわせては」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
到底どうせ取りきれる事ではないが、うっちゃって置けば野菜が全滅になる、取れるだけは取らねばならぬ。此方こっちも生きねばならぬ人間である。手が足りぬ。手が足りぬ。自家の人数にんずではやりきれぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
到底どうせもらう事なら親類なにがしの次女おなにどのは内端うちば温順おとなしく器量も十人なみで私には至極に入ッたが、このを迎えてさいとしては
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
お政は「ナアニ大丈夫ですよ、またちっとやそッとの事なら有ッたッて好う御座んさアネ、到底どうせ早かれおそかれ一所にしようと思ッてるとこですものヲ」ト、ズットすいを通し顔でいるところゆえ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)