初荷はつに)” の例文
「おや、泥がつきましてございますね。初荷はつにの車がねかえしたのでございましょう。ちょっと落して参りますから——」
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
と、たけちゃんが いったので、まちへ いっしょに いくと、初荷はつにの くるまが やって きました。
はつゆめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
このような美しい多彩な刺繍の和鞍を作るのは、ただこの下野と常陸ひたちとの二ヵ国だけであります。正月の初荷はつにの時や、嫁入よめいりの時に新しくあつらえます。少し前までは朱塗金箔きんぱくの革も用いました。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
初荷はつにくるま
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
いま獅子舞ししまいが堀川の小橋の上を渡ると見えて、大鼓の音は河岸の建物に木霊こだまして、あたり四方を祭のように浮立たせます。続いて初荷はつにはやしが通ります。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)