其隣そのとなり)” の例文
鍛冶屋かぢやの男が重い鉄槌てつゝちに力をこめて、カンカンと赤い火花をとほりに散らしてると、其隣そのとなりには建前たてまへをしたばかりの屋根の上に大工が二三人しきりに釘を打附うちつけてた。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
ぬすみ取清三郎は其隣そのとなりの金屋利兵衞方へ入りて彼の腰元こしもと竹を切殺きりころし娘の手道具てだうぐうばひ取り來りしが忠八にも是を話し我もたゞかへるは殘念ざんねんゆゑ是程のはたらきをせしと取たる品々しな/″\
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)