其人それ)” の例文
其人それが私に御膳を上げたいからと言ってひそかに招待致しましたからそこに参りますと、私を全くもって英国の国事探偵吏であるというみとめを付けました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
お別れ申すが惜しいと言つても是れが夢ならば仕方のない事、さ、お出なされ、私も歸ります、更けては路が淋しう御座りますぞとて空車引いてうしろ向く、其人それは東へ、此人これは南へ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其人それ衙門がもんへ指してお勤めに行く。時間はごく僅かで務めのほかは遊んで居る。薬屋のあるじと非常に親しいものですからいつもこの薬屋へ来ていろいろの話をする。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
お別れ申すが惜しいと言つてもこれが夢ならば仕方のない事、さ、おいでなされ、私も帰ります、けては路が淋しう御座りますぞとて空車からぐるま引いてうしろ向く、其人それは東へ、此人これは南へ
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其人それがこの学者の弟子だそうです。そこで私が西北原の人であると言うて入って居ることの
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
わかまをすがしいとつてもれがゆめならば仕方しかたのないこと、さ、おいでなされ、わたくしかへります、けてはみちさびしう御座ござりますぞとて空車からぐるまいてうしろく、其人それひがしへ、此人これみなみ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)