八雲やくも)” の例文
老人連、全然すっかりれ込んでしまった。いつにも大河、二にも大河。公立八雲やくも小学校の事は大河でなければ竹箒たけぼうき一本買うことも決定きめるわけにゆかぬ次第。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
甲州勢のなかへ駈け入って戦死した東郷五郎左衛門直広のわすれがたみ——母もなく今はただ独りでこの広い屋敷に取り残されている八雲やくもなのである。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其時ポンチ画の男は、んだ小泉八雲やくも先生は教員控室へ這入るのが嫌で講義が済むといつでも此周囲まはりをぐる/\まはつてあるいたんだと、あたかも小泉先生に教はつた様な事を云つた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
八雲やくもさす出雲いづも子等こら黒髪くろかみ吉野よしぬかはおきになづさふ 〔巻三・四三〇〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
明治十一年八雲やくもを拓いた旧名古屋藩士、十三年ヨイチ郡大江村を拓いた旧山口藩士、十四年イシカリ郡トウベツ村に入った佐賀藩士、福岡藩士、十六年イワナイ郡前田村を拓いた金沢藩士、以下等々。
くはれもす八雲やくも旧居の秋の蚊に
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
八雲やくも棚引く
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)